2016年1月22日金曜日

物にも心を託す文化


いせ辰の江戸千代紙をゲット。
たまにお店に行って買いま〜す。
左下の正方形のは硬貨用のぽち袋で、絵柄を気に入っています。
右の祝儀袋には「貴方の株が上がりますように」という意味でカブの絵が描かれていて、粋な楽しみがあります。しかも木版手刷り!手刷りのご祝儀袋なんて貰ったら、嬉しいですよね。これは姪の合格祝いに。
千代紙は味わい深い美しさがあって、見入ってしまいます。


日本人のように、お金を紙に包んで渡す文化は珍しいかもしれません。お祝いや、お月謝、お年玉といった紙幣を新券で渡すのも、私の知るところでは日本人だけです。
それは相手を思いやるつつましい気持ちと、少しのことにも美しさを求めて楽しむという気質ではないでしょうか。

最近は急速なグローバル化で、日本人もだいぶ合理化されたと思います。だけどそんな時こそ、日本人の心を持って世の中を渡っていきたい。私達が私達である礎を持って、堂々と自信を持って楽しみたい。


今日のひとこと
「美しきことは、よきことかな!」

2016年1月10日日曜日

情熱

前回に山登りする人のことを書いたら、久しぶりに山野井夫妻のオルカ登頂のDVDを見たくなった。

山が好きで好きでたまらないと言う時の笑顔が、とても魅力的な二人だ。

山野井泰史さんの本を2冊、持っている。
「垂直の記憶」では小学生の頃からの高い所が好きだったことや、たった一人で10mほどのコンクリートの石垣を初めて登って胸が熱くなったことや、中学生の時には独学でかなり難しい山登りをしていて墜落し傷だらけで帰宅して、心配が頂点に達した父親に「いいかげんにもうクライミングをやめろ」と大声で怒鳴られて「クライミングをやめさせるなら俺を殺せ」と泣きながら叫んで取っ組み合いの喧嘩をしたことから、その後の山の記録もたっぷり詳しく書いてあり読み応えのある内容だ。


この人の本を読んでいると、自分の好きなものをよく分かった上での潔い考え方と、己は己なんだと他者を批判しないあっけらかんとした人間の器の広さを感じて愉快な気分になる。

例えば本の中で山野井さんは、山への情熱を生ききるために恋愛を遠ざけたと書いている。輝くような笑顔をする人だからきっと人気のある人のはずで、だからこそ強い意志で遠ざけねば山にこれだけ打ち込めなかっただろう。

まぁそもそも、特別(マイノリティー)な情熱を子供の頃から持った人は、話(価値観)の合う恋人に出会うなんてそうはない。こだわりも人一倍強いから、何となく話を合わせるのも苦痛だろう。
世間一般に恋愛は誰もがするのが常識なわけで、でも自分の思いと世間の常識が違った場合、恋愛だけでなく何事においても、流されず自分の実感を大切に選び取ってきた人なのだと思う。

だからこそ価値観の違う他者のことは批判しないようになったんだろう。そこに色々な思いをしてきた人だからこそ、色んな人がいいんだと楽に思える人なのだ。



あともう1冊、これは借りて読んだものなので持ってはいないけれど、山野井さんのお父さんが書いた「いのち五分五分」という本も読んでよかったと心から思った本だ。

上に書いた「もうクライミングをやめろ!」「クライミングをやめさせるなら俺を殺せ!」に至るまでの親の心配、そしてその時の葛藤を親の目線から書いている。
どうしてもやめさせられないと分かって、独学は危ないから山岳会に入れてほしいと息子と山岳会を訪ね歩いた日々のこと(中学生はふつう山岳会に入れない)、家庭菜園をしていて、息子夫婦が海外に登りに行っている時には葉っぱについた青虫を駆除することができないこと(青虫が、岩壁にしがみついた息子夫婦に思えてしまう)、息子の結婚相手が山登りをする年上の女性と知って会う前からよく思っていなかったけれど、会ってみたら自分たちのために布団を綿から手作りしてくれていて料理も上手で心が美しくて、いっぺんに大好きなお嫁さんになったこと、心配だけど自慢の息子夫婦であること、もう親は読むべし読むべし!な内容なのだ。

ごく普通の親である自分達夫婦(とご自分でおっしゃっている)のところから世界的クライマーが生まれた葛藤と喜びを、素直に飾り気なく書いていて、こういう本は珍しく貴重だと思う。


山野井夫妻のオルカ登頂、動画がYouTubeにあるかもしれない?と探してみたら、ありました!
興味のあるかたは、ぜひどうぞ!^^


「夫婦で挑んだ白夜の大岩壁」(2008年 NHK)

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